2011年2月28日月曜日

INSEAD MBA @ Singaporeキャンパスに行ってみた。

Financial TimesのGlobal MBAランキング2011で、スタンフォードと同じく第4位にランクインしたINSEAD MBA のシンガポールキャンパスに行ってきました。(ちなみに、学校側は特定の国に縛られないという意識の下シンガポールをアジアキャンパス、フランスをヨーロッパキャンパスと呼んでいるそうです)

LBS、ハーバード、ペンシルバニア、スタンフォードなどのトップスクールと比べた時のINSEAD MBAの特徴は大きく3つあると言われています。

1. 70カ国以上から学生が集う多様性(上位5つの国籍を足しても全体の36%未満で、人種的マジョリティがいない

2. 1年間のインテンシブMBAコース(はじめの4カ月でMBA12科目の基礎をスピード学習)

3. 1年間の間にフランス、シンガポール、アメリカの複数キャンパスで学べる(事実、70%の学生がキャンパスを移動 2009年のINSEAD内部統計)


記事の最後に、INSEAD MBAに通う/通った人たちのブログをいくつか紹介しています。
INSEAD MBAコースの詳しい特徴については、そちらをご参照ください。

◆ キャンパス訪問日 2011.2.24(木)

◆ INSEAD シンガポールの立地とアクセス

大きな地図で見る

MRTのBuona Vistaから徒歩10分程度。駅前のバスで、一つか二つ先の降車場で降りても良い。

◆ INSEAD Singaporeのキャンパス風景


Buona Vista駅から歩いて行くと、INSEADの文字が左手に見えてきます。

この標識が見えたところを左に曲がると、

INSEADキャンパスの入口です

INSEADは6階建ての建物でした。

各フロアに教室や自習スペース、カウンセリングルームなどがあります

1階に、TANOTO LIBRARYという図書室があります

受付エントランス前の広場。開放的な空間。

2階にむけて広がる高い天井。こちらも開放的

カフェ

カフェから食堂までの通路

ランチタイム @ 食堂

食堂のメニュー

ビュッフェスタイル


中庭のカフェ。ランチタイムに、バーベキューやってました。


INSEADといえば、2005年に日本でもベストセラーになったW.チャン・キム教授の
ブルーオーシャン戦略が有名ですね。
今ではブルーオーシャンストラテジー(BOS)の研究機関などもあるようです。







3階か4階にあった中庭スペース

中庭スペースから見たキャンパス風景。

緑が多いです

トイレはこんな感じ

残念ながら、ウォシュレットはないです

各フロアにソファが設置されてました

図書館で学習する人々

図書館で学習する人々その2

南国を感じさせる中庭が多いです

中庭で談笑する人々。少しずつ集まって、いつのまにか大人数になっていた。皆、仲が良さそう。

もう一度、INSEAD校舎の正面を撮影。


◆ 実際にINSEAD Asiaキャンパスを訪問してみて感じたこと


1. 見た目による人種的バラエティは大きくない。

70カ国以上から学生が集うと聞いていたので、どれだけバラエティに富んでいるのだろうかと期待して行ったが、一見すると白人はみな同じ国の人に見えやすく、思ったほど多様性を感じることはできなかった。白人7割、インド2割、他1割という印象だった。

INSEADが発行しているMBA Graduates 2009によると国別の出身者割合は、

  • アジアパシフィック 27%
  • 中東欧 7%
  • 南米 6%
  • 中東アフリカ 10%
  • 北アフリカ 13%
  • 北欧 1%
  • 南欧 12%
  • 西欧 24%

とのことで、やはりかなり多様性はあるようだ。(n = 932)

2. 国籍を超えた交流は比較的活発。

ちょうどランチタイムに訪問したため、食堂で学生同士が談笑する様子などが見られた。授業でのグループが同じなのか、一つのテーブルに白人もインド人も中華系の人も一緒に座って、話しながら食事をしていた。共通語はもちろん英語。

シンガポール国立大学(NUS)やシンガポール経営大学(SMU)では、中華系は中華系、インド系はインド系で集まる傾向があったので、INSEADは国籍を超えた交流が活発そうで良いなと思った。

もちろん、学部とグローバルMBAでは交流に対する学生の動機づけ、多様性への許容度、大人としてのインターフェースの発達度が異なる点を考慮すべきだけど。

3. キャンパスがリゾート的。キャンパス内の食堂もクオリティ高し。

中庭に南国風の庭があり、建物内のソファや階段もリゾートホテルのようだった。食堂もシンガポールの大学で見られるような、安くてバリエーション豊かなフードコートではなく、リゾートホテル式のビュッフェスタイルだった。フードコートはシンガポールのどこにでもあるので、キャンパスで毎日食べるランチはこういうスタイルの方が全体としてバランスの良い食生活が送れそうだと思った。


4. 年齢層がMBAのなかでは比較的高い。(Average 29 years)

欧米の人が日本人やアジア系よりも年上に見えるということもあるが、学生の年齢層が比較的高く感じた。実際、他のMBAトップスクールは平均年齢が26歳と言われているが、INSEADは29歳とのことだ。

INSEADが発行しているMBA Graduates 2009によると、MBA Graduatesの年齢分布は

  • < 26 years 6%
  • 26 - 28 years 41%
  • 29 - 31 years 38%
  • > 31 years 15%

とされている。(n = 932)


1年間のインテンシブで多くの科目を詰め込むのは大変だと思うけど、住みやすい場所で、素敵な仲間と学べるのは良いなと思いました。ただ私費留学で行く場合、900万円超のコストとその間の給与収入がないことを考えると・・・覚悟がいりますね。
INSEAD MBA Fees & Expenses
http://mba.insead.edu/financing/fees.cfm
└ 授業料 : 63000ユーロ(約635万円)
└ 教材など:4400ユーロ(約50万円)
└ 10カ月の生活費他:19250ユーロ(約220万円)
└ 計:79650ユーロ(約900万円)
* バートナーがいる場合は、生活費に+25%。

最後に、INSEAD MBAに通う/通った人たちのブログをいくつか紹介しておきます。
INSIDE INSEAD (SINCE 2010)
http://insideinseadjp.blogspot.com/
日本人のMBA学生有志が運営する非公式のブログです。
INSEADは本ブログに責任を負うものではありません。
ご質問・ご相談・キャンパスビジットのご要望などありましたら、insideinsead.jp@gmail.comまでご連絡下さい。
世界級ライフスタイルのつくり方
http://www.ladolcevita.jp/blog/global/
仕事も家庭も世界が舞台! カナダ→フランス→ロシアと流れてきた後、シンガポールで束の間のトロピカル生活。 現在はロンドンでオーストラリア人の夫と産まれたばかりの息子と共に世界級な人生を築こうと奮闘中!
夢、モラトリアム、時々おとな@INSEAD
http://yumemora.blog54.fc2.com/
夢とモラトリアムとオトナな世界をうろうろしながらINSEADで羽根を伸ばし中。 フィーリングで生きてます。Twitter: @tomokolea
INSEAD(MBA)留学記  2007-2008
http://blog.livedoor.jp/emahanaw/
31歳にして8年前から夢見ていた世界のMBA校INSEAD(シンガポールとフランスにキャンパスがある1年制MBA)に進学することになりました。 ①MBA受験、②進学準備、③シンガポール滞在、④フランス滞在、⑤卒業の順でMBA挑戦の四苦八苦を記していきたいと思います。
ほぼ日 INSEAD Blog
http://js-insead.blogspot.com/
2010年1月から一年間、INSEADというBusiness School(France)でMBA留学をすることになりました。気ばって難しいことは書かず(書けない)、継続は力なり、をモットーに日頃の出来事をつらつら綴っていきたいと思います
INSEAD MBA 留学日記
http://inseadmba.exblog.jp/
パリ郊外フォンテーヌブローのビジネススクールINSEADでのMBA留学生活の備忘録ブログ日記
by Insead_2009
MBA受験記 ⇒ Go to Fonty
http://blog.livedoor.jp/balancingmickey/
MBA受験中の苦労とINSEAD(Class of July 2008)での生活を綴ったブログです。早いものでP1が終了。ただいまP2です。
Hacci's Blog at INSEAD MBA
http://haccinsead.exblog.jp/
「MBAって何?」という世界から元MR(28歳)が国際ビジネスへの門出を目指してINSEADへ留学。日々の体験と「MBAって何?」の答えを、1年を通じて綴っていきます。

2000年設立のシンガポール経営大学(SMU)に行ってみた。

シンガポール経営大学(通称SMU)は2000年にシンガポールに3つ目に設立された大学で、初のビジネス/経営学の専門大学です。ビジネス専門のためか、キャンパスもシティホール近くの都市部にあります。


日本でいう一橋大学ですね。


学部と併設されているMBAコースの両方のキャンパスを歩いてみました。

◆ キャンパス訪問日 2011.2.22(火)

◆ シンガポール経営大学(Singapore Management University)の立地とアクセス

大きな地図で見る


MRT(地下鉄)のDhoby GhautまたはCityHallから徒歩5~10分くらい。


◆ キャンパス風景


キャンパスは都市の中枢に位置している

一続きのキャンパスのなかで、経済学か会計か社会科科学かといった
主専攻ごとにゾーンが分かれていた。




会計と法律キャンパスの入口

経済学と社会科学のキャンパス

経済学と社会科学キャンパスの学生風景



南国な気候なこともあり、服装はみなカジュアルでラフ。
女子もTシャツやキャミソールとホットパンツなどの格好が多い。






図書館の風景その1

図書館の風景その2





Appleユーザーが多かった


会計と法律のキャンパス入口

併設のSMUビジネススクールの入口


SMUビジネススクールの内部。6階建ての吹き抜け。
 
SMUビジネススクールの1階でグループワークに取り組む学生たち


テコンドーサークルなんかもあるようだ。韓国語のポスターを発見。



キャンパス内で、ポートボール(ゴールに人が立ってるバスケみたいなゲーム)をやっている学生もいた。

SMUキャンパスに実際に行ってみて感じたことは、次の4つ。

1. 学生の人種構成は日本の大学よりも多様だが、相互の交流は少ないかもしれない。

学生の構成は、中華系のグループが6割、インド系のグループ3割、他(別のアジアや白人)が1割といった印象。日本人はざっと見た範囲では見当たらなかった。中国系の人たちは中国語で話していることが多かった。NUS(シンガポール国立大学)でも感じたが、国籍・人種ごとにグループができていそうだ。

2. 学生は勉強熱心で、サークル・スポーツなども盛ん。

歩き回って見た感じでは、学部もMBAコースも、前評判通りみんな勉強をガリガリやっていた。
大学構内のテーブルとベンチに何人かで集まって、ミクロ経済の教科書や、会計学の教科書を読みこんでパワーポイントやワードでドキュメントを作っているようだった。
グループワークのようなプロジェクトもあるようで、ディスカッションをしている人もいた。また、同日の夜10時30分ころオーチャード通りのスターバックスで、マクロ経済の教科書やら、その他大学のテキストとPCを持ち込んだ学生グループがいくつも勉強に励んでいた。
これが、大学の成績が将来の進路と密接に連動していることの効力なのだろうか。

一方で、キャンパス内でポートボールで汗を流す学生や、チアリーディングをやっている人達もいたり、テコンドーサークルなど、いくつものサークルの募集ポスターも見かけた。

また学生たちのPCを覗くとグーグルで検索したり、facebookを立ち上げていたり、youtubeを見ていたりと日本とあまり変わらない印象も受けた。日本の一般的な大学よりもAppleのPCユーザーがやや多かった。

3. 日陰は涼しくて勉強も快適にできそう。日本の化粧品が売れている?

当日の気温は33度超。初めは、年中この暑さのなかで勉強を続けるのはちょっと大変かなと思ったがキャンパス内の日陰は風通しが良くて涼しく、快適だった。

また、構内の薬局では資生堂など日本の化粧品が、日本語のPOPとともに一番目立つ場所に置かれていて結構売れているようだった。

4. 勉強内容はオーソドックス。英語で専門知識とディスカッション力が身に着くことが魅力か。

大学の書店で置かれていた教科書や書籍は、いわゆるアメリカの経済学、経営やマーケティング、会計関係の教科書や自己啓発も含むビジネスシーンのベストセラーが中心で、特にユニークなものはなさそうだった。

学んでいる内容のレベル(教科書の中身)は日本のトップ大学とそこまで変わらないかもしれないけど、これを英語で、厳しい競争の中で徹底的にやっているということが、現代の国際社会では強みになるんだろう。

SMUと日本のトップ大学を比較した場合、英語での専門知識と、多様な国籍の人が集まる環境でのディスカッション力が身につくことがSMUの大きい強みかもしれない。


ちょっと気になったのが、シンガポール経営大学の目の前の通りが、「スタンフォード・アベニュー」という名前だったこと。しかもスペルがStanfordではなくStamfordとnがmになっている。

ただの偶然か、ライバル心なのか、コンプレックスなのか、なんだか複雑な気持ちになった。
アカデミックの中心はアメリカで、アジアはやはりアジアに過ぎないという潜在意識の表れといったら言い過ぎだろうか。